ソウルハッカーズ2をクリア&トロコンしたので総感想。
目次
総感想
アトラスが手掛けた新しい挑戦作。
が、意欲は買うとして、全体的な感想としては、普通の作品。
挑戦部分は良いのに、全体的な品質が悪い。
快適な操作ができないのが不満点に繋がっていて、それがストーリーとキャラの良さを打ち消している。
全体的な所感
このゲームは、他のアトラス作品と比較すると、ペルソナと女神転生の中間作品といえる。
雰囲気的にはデビルサバイバーとかに近い。
悪魔が出てきて会話したりイベントもあるが、主流なストーリーは人と人との戦いがメインとなる。
デビルサマナーという現代に生きる異能者の世界観を拡張する、世界観としては良い作品だった。
戦闘もまた従来の雰囲気を残しつつ、一新。
弱点を付くことがメリットになるという部分は残しつつも、メリットをどう使うかについて別システムを用意している。
この辺りが挑戦的な内容だと思う。
マップは、3Dマップでシンボルエンカウント方式。
ぶっちゃけこのマップ部分の不満点が非常に大きくて、不満点の大半がこのマップ部分。
詳細は下のマップで述べる。
全体的には周回前提で作っているのに、快適な周回作業ができないのが苦痛な点。
せめて周回時はマップスキルだけ開放しておくとか、仲魔も引き継ぎとかが欲しかった。
ストーリー
非常に良かった!
知識はあるが経験がないAIONの主人公が、サマナーである3人とそれぞれの事情でチームを組むこととなる。
一緒に戦っていく中で3人の過去や思いを共有して様々な経験を経ていくのが、RPGとして自然に組まれていて素晴らしい。
それぞれのキャラが立場が全く違っていながらも、徐々に理解し合いながらチームとしてまとまっていく過程が自然に描かれていたと思う。
ちょっと気になったのはAIONが中心となったことで、デビルハッカーズの世界観を構築する2大組織のヤタガラスとファントムソサエティについては余り触れられなかったこと。
できればこれらについてもっと深掘りして欲しかった。
最後もいずれ敵となるかもしれないが、笑顔で別れるというのがハードボイルド風で作品として良い余韻が残った。
この辺りが、ジュブナイルのRPGであるペルソナや、世界の破壊と再生を描いている女神転生では描けない、大人なストーリーだった。
戦闘システム
戦闘
アトラス恒例の弱点を付いて、メリットを引き起こす戦闘システム。
今作は、ペルソナの1moreシステムや、女神転生のプレスターンシステムとは異なるストックシステム。
弱点を付くことで、ストックと呼ばれる仲魔の悪魔の影が貯まり、ターンの最後にストック数に応じてダメージを与える。
ストックとなった悪魔にストック用のスキルが付いていると追加効果が発動する場合もある。
このシステム、ペルソナの総攻撃にイメージとしては近い。
ただこのままだとペルソナの1moreがない分、劣化している。
代わりにストックの数によっては、メギドラオンを超える大ダメージを与えたり、ストックのスキルが発動することでがあるので、この辺りを意識する必要がある。
一周目だと結構なダメージソースになるので、ラスボスまで安定して使っていける。
自分は面白そうだったので、ストック関連のスキルを付けた控え悪魔をそこそこ用意した。
が、それでも確率発動であり、安定した発動がしないので戦略に組み込むのは微妙だった。
中々面白い試みだったと思う。
発動時にストックとなった悪魔が姿を表して総攻撃するのはビジュアルとしても良く出来ていた。
不満点としては、ストックが最後のダメージとなるサバトとしてしか使用できなかったこと。
上記の通り、サバトの追加効果の発動は確率なので戦略に組み込み辛いのにスキル枠を消費する。
敵はストックが貯まると、そのストックを吸収して回復などのスキルもあるが、味方にはない。
この点が残念。
次回作があるなら、この辺りに発展性があるのかなと思う。
装備
それぞれのキャラに固有の性能があって、好きな能力を伸ばせるのは良い点。
個性が出るし、物理or属性のどちらにも特化あるいは両方使える。
総じてカスタマイズ性が高いので、今までにない面白さだった。
キャラ
それぞれ個性が出ていて全員好き。
リンゴ
非常にコミカルに感じた。
知識はあるのに生まれたばかりという経験無しというキャラクターを非常に良く表現できていたと思う。
なんやかんや3人の間を取り持って主導的に引っ張っていく良い主人公。
物理特化なスキルなのに、物理スキルが余り強くないのが残念。
武器名とか壮大な名前にしてるので、ミレディのように万能スキルが欲しかった。
フィグ
リンゴと対になる存在。
クールなようでリンゴよりも激情家だった。
サポートパートナーのミミになっている時は若干幼い感じが出ていて上手い。
終盤ミミの音声が無くなったのだけは許さない。
あと公式イラストだと二丁銃持っててカッコいいので、活躍シーンはどこですか?
アロウ
ヤタガラスのエージェント。
今作のヤタガラスは、アライメントとしてロウ勢力となっているみたいでびっくりした。
概ねキャラデザイン通りの性格だったので違和感は無かった。
なお年齢はキャラデザインから想像しているよりも上だったので、アトラスとしては珍しい。
個人的に一番気になったのは、オープニングのアゴの尖り具合。
尖りすぎじゃない?
ミレディ
ファントムソサエティのエージェント。
こちらもだいたいキャラデザインの通りだった。
服装がかなり攻めたデザインで、ミニスカートのようでちょっと違う。
戦闘アクションがひらひらしすぎて気になります。
便利なマップスキルを詰め込まれたり、万能攻撃持ってたりと固有スキルがとにかく便利で強力。
ちょっと他の人に分けてあげてもいいんじゃない?
サイゾー
フリーのデビルサマナー。
フリーの立場とか、サマナーの恋人とか、一般人に戻ろうとしたりとか、一般的なデビルサマナーの属性を全部詰め込まれている気がする。
作中でも言われてたけど、さすがにあのCOMPは隠しておくの無理では?
マップ
今作のマップは3Dマップのシンボルエンカウント方式。
が、エネミーシンボルはランダムで湧き出てくる形なので、時に避けられないタイミングで出ることもある。
各個人が、マップスキルとして固有のスキルを使って便利に探索できるのは良い点。
またマップ開始時に仲魔を放って、マップの各所に配置。それに話しかけることで宝箱代わりにするのは面白かった。
が、このマップこそがソウルハッカーズ2の最大の問題点であり不満点だと思う。
真・女神転生5と比べると退化している。
ペルソナ5と比べると楽しさがない。
中途半端に自由で、中途半端に不便。
戦闘システムのように新しい挑戦とは思えないほどきつい。
不満点1:移動速度
移動速度が遅い。
途中でマップスキルが開放されるが、そもそもが遅い。
更にマップスキルの効果時間も短いのですぐに効果が切れて、かけ直しが必要となる。
これがひどく面倒くさい。
不満点2:マップスキルの効果時間
上記で書いたが、マップスキルの効果時間が短すぎる。
アクティブなマップスキルは一々かけ直しが必要で、マップ探索中は常に移動しながら、マップスキルが切れたら再び発動、そしてまた探索というサイクル。
実質マップスキルが必須状態なのを考えると掛け直すのだけ手間。
発動したらそのまま使用しっぱなしか、パッシブスキルにして欲しかった。
不満点3:アクセスポイントのリセット
周回時はアクセスポイントがリセットされる。
つまりまたマップを回る必要がある。
ストーリーマップはしょうがないが、ソウルマトリクスは単調なのでこちらは非常に面倒くさい。
不満点4:周回前提なのにマップスキルはリセット
マップスキルがソウルレベルによる解放である以上、仕方ない。
が、それでもマップスキルが周回時に無くなってしまうので、最初からやるとまた遅いマップ移動を味合わされる。
苦痛すぎた。
総括
ストーリーとキャラ、戦闘システムは良い。
が、それ以外に不満点が多かった。
一周目だけならなんとかなるが、周回プレイ前提なので二週目からは更に不満点が貯まる。
レベル上げが必要なので、上記の不満点がもろに直撃する。
最初に書いた下記の点もあって、ユーザーに不親切な作りとなっているのが気になる。